「風立ちぬ」を水曜日に観て来ました。
あれから、ユーミンの「ひこうき雲」がずっと頭の中で流れています。
ティーンズのユーミンの曲、ほんと私全然知らなかったもので、この映画のための歌かと一瞬、思ったのですが、映画のラストで流れた歌はオリジナル?
歌の感じ、声の感じで「あ、これは前からある歌かな」とも。
どっかで聞いたことあるのかなあ~

それにしても、本当にハマっていてビックリします。
ユーミンはほんとに天才です。
そして、歌の出来た経緯を知り、鳥肌が立ちました。

この映画は、映画館で見るべき!
ホームシアターでバッチリ見られる方はある程度再現は出来るかも知れませんが・・。

毎回ジブリ映画などを見て、作画・音楽・効果などはもちろん感心しますが、でも、実は、中学生の時に見た、学校から引率されて行った平凡な音も映像もたいしたことないあの公営のホールのスクリーンで見た、ナウシカ。
自分が飛び上がるようなあの飛翔感に勝るものは、実はありません。
十代の頃の自分の感性がそれからの経験を上回っているということなんでしょう。

それでも、今回もいろいろと拘りを感じました。
あと、動きがふわりふわりと滑らかな感じを終始、感じました。
「戦闘機」でさえ、その攻撃性をなんとか抑えようとされているのか、と。

見ていて、いろんなことを考え、感じました。
「大人向け」ということでしたが、これは所謂精神年齢を問うような気がします。
私は、たぶん、60%も理解できていないだろうな、というそういう課題残し感も感じます。
でも、本でもそうなんですが、一回でわからなくてもいいし、感じるままでも十分伝わるものもあるし、あるいは人生においてそれぞれの時期でわかることがあるような気がします。
そういう意味では、早熟な方や感性瑞々しい方だったら、小学校高学年や中学生でも十分楽しめると思います。
ただ、受け付けられない人は大人でも難しいのかな、なんて思いました。


しかし、菜穂子さんの存在で、いろんなことを凌駕してしまうかも。
宮崎アニメの永遠のヒロインみたいな人なのかなあ、とも思い。
日本女性の美しさとも感じ。
菜穂子さんだけでなく、この作品の女性陣はとても素敵。
主人公やほかの登場人物にもどかしさや、もやもやが残ったところがあっても、二郎のお母さまや妹さん、菜穂子さんのところの女中さん、上司の奥様。
これらのひとたちがとても素敵。
素敵、素敵書いてますが、そうとしか。(笑)

賛否両論、外国での評価はどうか。
鈴木Pご本人が言ってましたが、「この題材を映画化していいか」。

そういうことと、主人公を始めとする登場人物たちの「生きる」姿と言葉には、いろんなもどかしさと矛盾は、宮崎駿のエゴであり良識であるように思う。
葛藤がないわけないのだけれど、いわゆる声の演技で見せることを「否定」している。
感情がないんじゃないか、と思わせるあの声。
えらく独特で、これが最大の主張なのかな、と思わせる。
まったく良いとも思えないし、好感は持たないが、なんだかそれがあの二郎なんだな。
「生きなさい」「生きねば」という割には、あまり熱情を感じない。

夢が、繰り返し訪れる。
夢か現か。
黒澤明の「夢」を思い出す。
夢は、将来や希望だけでなく不安や恐怖も浮かび上がる。

タイミング的に、今、これに合わせての企画や脚本かと思ったけれど、後から後からピタッと嵌っていったらしい。
クリエイターの業として、あの震災までも「自分に追いついた」というニュアンスを言ってしまったという不謹慎な噂もある宮崎監督。
日本人の私も感じるエゴや矛盾、生まれた土地や国を愛する心、懐かしむ気持ち、あたりまえのことではあるかもしれない。
今、戦争を体験したひとたちが少なくなったことやあらゆる場面から一線を退いたことによって、戦後数十年の間、各国共通してあった戦争の苦難の実感。
これがないことが、皮肉なことに国家間での軋轢を招いて、相互理解をしてお互いを譲ることが出来ないでいるような気がする。
戦争をするまでも、日本が各国と戦争することの無謀さや悲惨さを多くの国民が根底ではわかっていた。望んでいなかった。
でも、閉塞感を感じた。
望みや希望を叶えることと、戦争とをなんとか合理化してしまった。

「生きる」ということは、それぞれの分や立場でちがってくるものではあるけれど、それぞれを否定できるものでもない。
でも、理想は持っていたいものだな、とも感じた。



コメント

ちゃろ
2013年8月10日4:49

最後に流れたひこうき雲はあえてレコードのを使ったそうです。。
針を落とした時のジジジって音がなんともいえないです。
ユーミンは初期の曲の方が好き、最近のは心惹かれないんです。
この映画は若い人には難しいみたいですね。
周りの若い子たちはみんな意味がよくわからなかったと(苦笑)

さらさ
2013年8月13日17:02

ちゃろさま
コメント、ありがとうございます。また、お返事が遅れてしまいました、すみませんでした。しばらくPCから離れていました。

ところで、ひこうき雲のこと教えてくださってありがとうございました。
やはり、音源はオリジナル・・・当時のレコードのものだったのですね。

そうそう中学生の時の先生に、ちゃろさんと同じく初期のユーミンが好き、という方がいました。「荒井由実」「松任谷由実」をしっかり区別してました。
私は、ユーミンは「守ってあげたい」「卒業写真」「ダンデライオン」とかが始まりでしたかねえ~

この映画は確かに難しいですね、いい意味でも悪い意味でもわかりにくく作ってあるように思います。行間に意味を持たせているような。
戦前戦中の空気というのは、文学や映画でも当時のものを見られたり、資料やデータも触れられるようにはなっていますが、あのころからつながっているものは、今の世の中から表面上は遠ざかってしまっったように私のような年齢の者にも思えています。

でも、きっと今はわからなくても、また見返して腑に落ちる人もいるのでしょうねえ。

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