八重さんを見ていて、そしてNHKの番宣で「幕末のジャンヌ・ダルク」というのを見ていて、
「いや、それより【幕末のオスカル・フランソワ】!」
などと思っている私。

今日は、オスカル様の命日でもあるな、そういえば。

ジャンヌ・ダルク的なのは、むしろ竹子様だった、かな。

本当の会津戦争並みに時間をかけて、大河ドラマで会津戦争を描いている。
従来の幕末ものでは、幕府方の抵抗勢力、最後まで頑迷(よく描いて頑強)に戦った戦争、という扱い(日本史の教科書的にも)だったけれども、今回は江戸無血開城ののちの流れも丹念に描き、恭順や嘆願を聞き入れられずに戦いへと突き進む状況も、描かれていた。
無論、これまでの会津の政治力のなさ、他藩(主に討幕派での)内の抗争がなかったこと、事なかれ日和見他藩のように逃げられない京都守護職としての藩務、京都での武力で恨まれていた事情、すべても前半で丁寧に説明されている。

実に、今度の大河ドラマはバランスがよく取れていると感心する。
史料が数多く残り、それぞれの子孫・郷土的伝承も色濃くある時代だけに、しっかりと時代考証を考えられているのはよくわかるが、「篤姫」の付け焼刃のスイーツぶりとは、まったく異なる。
人物描写もしっかりしていてぶれない。
それでいて、とてもドラマチックでセンシティブだ。

綾瀬はるかのヒロインは大河史上最強のヒロインだ。
スーパー権力者や跳ねっかえりはいただろうが、訓練された射撃手、それも史実なんだからすごい。
どんどん、声に凄みが出てきた彼女、見事だ。
育っていく上で、米俵を担げるほどの腕力、峠をさっさと乗り越えていく脚力、新しい銃や火器を開発、工夫できるだけの知力、薙刀を振るい、訓をもとにした確固たる信念と矜持、それらが組み合わさっているから、こその最強。
とても説得力がある。
「白虎隊」の八重役は田中好子さんがされてて、こちらも好きだったんだけど、そういえば、すこし綾瀬はるかさん、似てるかも。

会津の女性たちの描き方もそれがあり、すべてが会津戦争への伏線となっていることがわかり、余計にひとつひとつの場面が愛おしい。
すべてが繋がっているんだ、と。

会津戦争の描き方で、必要以上に悲劇的に、言い方を変えれば「甘美」に描こうとしていないのも、バランス感覚がよい、と思う。
勿論、それぞれのエピソードには愛惜を感じるようにはなっているけれども、必要以上にはそうなっていない、と感じた。

実際の戦場で起こったことは、様々に伝えられている。
非常に悲惨な話も多く伝わっているとのことで、恐らく数十年前の大河ドラマであったら、もっと酷いシーンがあったんじゃないかな、と思う。
けれども、今回は官軍の側の描き方も考えてあって、二本松少年隊を無傷でそのまま家に帰そうと通したり、西郷の娘の介錯を手伝う際に彼女を気遣い「味方」と名乗ったエピソードが入っている一方で、残虐、略奪行為は描いていない。
現実があまりに酷いので、少しでも優しい話や願いを込めて、ということで残った話ではないか、というのもあるそうだけれども。

悲運の神保夫妻が、特に愛惜が込められていたことに優しさを感じた。
神保雪への土佐藩士の礼と、雪の自決のシーン。
放映後の感想でよく書かれていた、「七夕の再会」かな、と。
そう考える視聴者の感性と、製作者側の思いが結びついて、思い込みだけど、夫妻の魂が平安になってくれれば、と願ってしまう。

戦闘、自決、篭城、避難。
それぞれに女性たちが散り散りになっていく様は、やはり今現在の状況と重ね合わせて見るし、そういう意味もあるのだと思う。
それぞれを尊重し、認め合う勇気と優しさと強さもある。

京都守護職に任じられたことなどから、藩は困窮し領民が苦しめられていたことは確かだし、戦争は彼らの生活を脅かしたことも本当で、ドラマではさすがに描かないけど、ぎりぎりで逃げ出した武士階級もいたという噂さえある。
会津公への義理を感じるものもいれば、反発するものもいる。
これは、どこでも一緒だったろうと思う。

彼岸獅子の場面は、やはり昂揚した。
嘘のようなほんとの話。(笑)
キャスティングを見て、今回のドラマを見てきて、さぞかし見栄えのする「山川大蔵」が見れると楽しみにしていた場面でもあった。(やっぱり、二枚目俳優が演じるべき役柄!)
いや、かっこよかった、玉山さん。
いつかの薄幸御曹司も美しかったですが、ほんとに素晴らしかった。
いつかの「白虎隊」では獅子をかぶってた気がするんですが、どうだったかな。(笑)
非常にカタルシスのある場面でした。

大蔵入城、はよかったのだが、頼母退城決定。
ここでの、容保と頼母の対峙、とてもよかった。
ぎりぎりのところでのやりとりで、互いによく本当はわかっている、ということも伝わるビシバシとしたふたりのガチンコがもう・・・。
容保と家臣たちは、みんな優秀ですべてを見通せているし無用な対立もなければ、実に深慮深い殿は、それぞれの立場も思いやっているし、国を思っている。
それだけに、・・・・といったところ。

ここのあたりは、本当はどうか、というのはいろいろあるんだろうけれど、「八重の桜」的には、本当にお互いを思いやる君臣が見事で、美しければ美しいほどに、哀しい。

会津開城は、選挙日の来週。
心して、あと2回を見届けたいと思う。
ここなくしては、きっと後半の京都編に繋がっていかないのだろうな、と思う。


そして、オスカル様にも思いを馳せて。(そういえば、こっちは革命側だ)
そういえば、アンドレ的尚之助さまの今後も気になる・・・・。
目が悪くなったのは、覚馬だけど(脱線のしすぎーっ)・・・。


容保さまについては、また他に書いてみたいと思います。(なに宣言)

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