さっきまで黒澤明監督の「わが青春に悔いなし」を見ていた。

いやあ、すっごい。

原節子、すっごい。

見ていて「和製スカーレット・オハラね」なーんて思いながら見ていたけど、なんのなんの。
スカーレットより余程、力強いヒロインだ。

大和撫子、永遠の処女。
「東京物語」と「晩春」、「麦秋」の彼女とはまたちがう。

もともと、バタ臭い、豊満で洋画の女優みたいなシルエットと顔立ちの美女(鼻筋なんて完璧!)
だが、この映画での、
気紛れにみえる教授令嬢⇒戦中の職業婦人⇒獄中の人妻⇒地方の農婦
それぞれの、迫力ある品高さと美しさ、と瞳の力。
しなやかで存在感ある姿態。
まさに「生命力ある」その力は「心配するだけ無駄」なくらいの強さだ。

社会派の戦後まもなくのいろんなイデオロギーを主題としているわけだけど、周りの男たちなんぞより、この原節子と義母役の杉村春子のがむしゃらな逞しさ、これが、なんともすごい迫力。
昭和21年製作のこの映画は、なにかしらの問題は含みつつ・・・この迫力はさすがは、黒澤、てとこかな。

ちなみにこの映画での「京大事件」はフィクション。
とはいえ、有名な「滝川事件」を元にしたものであるのは確かで、ラストシーンはまさに・・・。

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