海の匂い。
潮の香り。

やっぱり、海がいいな。

ジャックは大きく満足げに息を吐き出しながら、ごろん、と寝返りをうった。

   
       ☆

「見て、口あいてるよ。イロオトコがだいなし」
「・・・くくく、こういうとこがかわいーんだよ、って思ってるよ」
「誰が?」
「やぼだね、ナギ」

       ☆ ☆

カイは片方の脚に体重をかけないように慎重にあぐらを組んだ。
それでも、ずいぶん身のこなしが軽くなってひざをつかないで、音もさせずに、ジャックの目も醒まさせずに座った。

ずいぶん髪が伸びたなあ、おまえ。

       ☆ ☆ ☆

ああ、いい気持ち。

幾つもの美しい手が自分に触れている。
指の数なんて、20、や30でも数え切れない。
髪を触っていた手が、顔に伸びてきた。

頬に触れる指。

・・・・あれ?

今まで自分に触れてきた女たちの指とはどこかが、ちがう。

乾いた、どこか固さのある指の腹。
柔らかくはないが、心地よい細さと撫でられ心地。

指の持ち主が、音を奏でるようにそのまま上頬や項の上を動いた。

むに。

わざと口の横をひっぱる。

だらしなく開けた口。
その中にまで、細く長い指が入って。

口腔の中のひとさしゆび。

あむ。

よだれを垂らしそうになりながら、ジャックがやっと反撃した。

「いて」

低い甘い声が、煙草にけむった息と共に耳に吹き込まれた。
薄い、指の腹のニク。
ちょっとだけ味がした。

ジャックは、大層幸せそうに目を開いた。

20や30の指の主たちよりも、ただひとつの指。

      ☆ ☆ ☆ ☆

ナギは甲板に突っ伏した。
「なにさ、いまさら」
ナガキがその頭をはたいた。
「うー」
ナギはまだ唸っている。

その視線の先には、ヒロが自分のひとさし指を唇に当てながら、寝転がったキャプテン・ジャックの傍らで、憮然と座り込んでいた。
立ち上がるきっかけを、なくして。

     ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

モアイに、会いにゆこう。
船に乗って。
華麗なる・・・ギャッツビーたちを船に乗せて。

【つづく?】

私の、ふたりの親愛なる赤の友へ、捧ぐ。(笑)
紅さん。
赤てるりん。
元気になってね。
実は、昨日のMCネタ(笑)。
妄想きつすぎ・・。

たくさんのコメントありがとうございます。
メール、ご挨拶遅れてる皆さんも。
明日が終わったら、と思ってます。
よろしく〜。

コメント

紅(べに)
紅(べに)
2006年9月23日5:01

さらさ様
【海賊汪―】
素敵な御話に元気になり過ぎて暴走してしまっております♪
ずっと寄り添ってきた(語弊?(笑)特別な方の指ですもの〜
無意識に「あむ」してしまうキャプテンお気持ち
よぉーーく、分かります。
本格的に元気になりました♪
あと、さらささんが書かれたライブネタばれで、キャプテンのヒロへの「おしりタッチ」にニンマリし(妄想に拍車が掛かり)、元気になっていたことは内緒です。(笑)
真面目に、さらささんの「優しさ」嬉しかったです。
ありがとうござました。

若子
若子
2006年9月23日8:51

若子です。
うわーん、ごめんなさい、私の日記にさらささんからのコメントが同じのみっつあったので、ふたつ削除しようとしたら、全部消えちゃったの!
せっかく「同じ会場にいる」ってこと教えてくれたのに。
ごめんなさいよう。しくしく。
またあとで遊びにきますね。しょぼん。

さらさ
さらさ
2006年9月24日22:50

紅さん
コメントありがとうございます。
非常に言葉足らずの散文に感想をいつもどうもありがとう☆
なかなかね、書いても反応があるような、ないような、なのよ。(たぶん、読んでもわからないんだと思うわ・苦笑)
だから、とても嬉しい(爆笑)
案外リクエストされると燃えるタチです。(大爆笑)
これからも、どうぞよろしく。

さらさ
さらさ
2006年9月24日22:53

若子さん
お疲れ様でした。
これから、また東京があるんですよね?
次はお母さまとご一緒なんですね。
そして、やっぱり和賀マン?(笑)
お天気になるといいですね、そしてきっとね、これはもう、勝手な言い分で、1回しか見られない方には申し訳ない言い方になるんですが。
きっと、2回目は、ちがいますから。
・・・あ、ていうか。ラストじゃないですよね、9月ドーム。
なんだ(←おい)、うらやましいなー。(笑)

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