「白夜行」で、雪穂の愛読書として登場する「風と共に去りぬ」。

今夜、NHK衛星放送で放送されていたので、また見た。
いやー、何回見ても面白い。

ところで、あのラストシーンはいつも、息を詰めてしまう。

「これから、私はどうしたらいいの?」
「知ったことか」

この「知ったことか」のレッドがまた、奮いつきたくなるくらいに、いいのだ。
レッド・バトラー=クラーク・ゲーブルの魅力は画面に出てくるたびにたまらないが、あのラストシーンがまた、すごい。
これがあのレッド・バトラーの言葉だった、というのはこの「知ったことか」が原作にはなく、セルズニックと脚本家のオリジナルであること、だろう。
映像化するにあたっての、こうしたオリジナル部分、というものは時に原作を、より、輝かせる。

レッドが去った後に、スカーレットは言う。
「みんな、明日、タラで考えることにしよう。そしたら、なんとか耐えられるだろう。明日、あの人をとりもどす方法を考えることにしよう。明日はまた明日の陽が照るのだ」(大久保康雄・竹内道之助訳)

・・・レッドはスカーレットに帰ってくるのか?

ある、レッド・バトラーを演じたタカラヅカのスタアが言っていたという。
はじめて演じた時には、きっとスカーレットの元に戻るだろう、と。
数年後に演じた時には、彼はスカーレットから完全に去った、と。

さて、あなたはどちらだと思いますか?

ビビアン・リー=スカーレットの輝く燃え上がるようなあの瞳に、彼は征服されてしまうのか?

1992年、「スカーレット」という続編が日本でも翻訳出版された。
アメリカ本国でも、このいわば一大サイドストーリー、誰が書くかでいろいろあったらしいが、日本の翻訳を受け持ったのは森瑤子さん。
大のスカーレットファンである彼女は、だが、「スカーレット」の本に満足できなかった。
スカーレットを愛していなかったという作者リプリーだが、スカーレット視点での平坦な内容の文章を書いていたから、だという。
森さんは、いわば「風と共に去りぬ」ファンとして、彼女に受けて立ったわけだ。
マーガレット・ミッチェルの世界、「風と共にさりぬ」の世界を生かしながらの続編「スカーレット」の超訳、意訳。

私はどちらの原文を読むことも一生ないだろうが(苦笑)、森さんの翻訳の「スカーレット」を夢中になって読んだ。
スカーレットはレッドを追いかけてチャールストンに行ったり、父の故郷アイルランドやロンドンに行く。
成長するスカーレット。

公認・サイドストーリーみたいなものだけど、マーガレット・ミッチェルは実際どう思っているかわからないけれど、森さんとは楽しく話が弾んでいるのではないだろうか。
とても、いいところで。

ところで、この「スカーレット」。
テレビ映画として映像化され、日本でも衛星放送で放映されていたことがあるが、あれはもう・・・・(絶句)。
メタメタ、であった〜〜〜。

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